沖縄地域間交流派遣事業 団員活動報告ノート①

黒澤 淳

ぼくはこの四日間で、沖縄の人達とたくさん交流ができてとても楽しかったです。
 沖縄の人達や石川県の人達は、今日知り合ったばかりなのに、僕たちを優しくむかえいれてくれました。それに、住所も交換してくれました。なんでこんなに年がはなれているのに話しかけてくれるのかな?と思いました。ぼくもそんなかっこいい大人になりたいと思いました。
 でもこの研修は楽しい事だけではなく、ほんの少し昔の時代にこの沖縄で起こった辛い事もいっぱい知りました。沖縄の人達が犠牲になっただけではなく「赤紙」によって日本全国から沖縄に集められて死んでいった人がいると聞いて、身体が怖くてふるえだしました。
写真も思わず目をそむけたくなるようなものがいっぱいありました。だけど犠牲になった人達の事を少しでも知れたらと思って写真を見ました。
 そんな辛い出来事が昔の沖縄で起こったなんてとても信じられません。なんでこんなにきれいな海や人が虫ケラの様に殺されていったのか解りません。でも今ぼく達が立っていられるのは、その亡くなっていった人の犠牲の上に立っていると思うので、犠牲になった人達の分まで生きようと思います。
 この経験をこれからずっと先まで生かしていきたいです。

<保護者より>

 お陰様で今回の沖縄研修旅行では多くの事を学び体験してきた様です。
6年間、主としてSVCを通じ、仲良しのメンバーと一緒に行けたこと、小出さん,須賀さん,梨乃ちゃん,亀井さん,齋藤さんといった最高の指導者・サポーターの方々にご同行頂き、無事なし終えたことが何よりと感謝申し上げます。
 沖縄・石川のスポーツクラブの人との交流。多くの人達の温かい心遣いにより、楽しさも一層増した様です。幸いにも心配された天候にも運よく恵まれ、引率の方から送っていただいた写メールは青空。青い空に青い海、美味しい食べ物に温かい人々。これ以上のもてなしはあり得ないでしょう。
 そして初めて戦争というものと本格的に向き合った夏。今まで学校の授業ではもちろん、TVや映画などではおぼろげながら戦争がどういったものか学んでいたとは思います。お叱りを受けることは十分承知していますが、私自身が見たくないものは自ら見ることはしない主義ですので、今まで家庭において戦争に関連する施設に出向いたり、映像や書物などで学ぶ機会も敢えて与えてきませんでした。自分が子供を持ったことにより、その気持ちは増大しました。自分の子供と同じ年代の子供達の写真が並んだ祈念館には、とても訪れる気がしません。涙が止まらないからです。そこにある写真の子供達、そしてその両親の気持ち、特に同性の母親の気持ちを考えたらいたたまれなくなります。私はどんなことをしてでも淳を
戦場には行かせません。どんな手段でも・・・。淳を守るためであれば矛盾しているかもしれませんが私が戦地に赴くことも拒まないでしょう。戦時中、全ての両親がそう思ったと同じに。
 こんな意気地のない親ですので、今回この様な勉強の機会を与えていただいたことに深謝いたします。淳は研修を終えて戦争についての感想を口にしませんが、淳の感想文の最後に「少しのことですぐ怒るのは止めよう。許すことを覚えよう。」みたいなことが書いてありました。恥ずかしながら私にとっても大切なことの様です。朝から一日中、まるで装甲車のごとく周りのモノをなぎ倒しながら歩いてきた私も、この言葉を胸に一呼吸おいて言動を考える余裕を持ちたいと思います。
 今回のこの研修旅行で学んだことが淳の記憶の引き出しに蓄積され、必要な時に思い出されることを願います。引き出しは多ければ多いほどいい。また今回も指導者の皆さんに引き出しの数を増していただきました。
本当にありがとうございました。

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