新町スポーツクラブ活動状況

【この1年間の活動状況】

平成15年度は、大きなイベントが連続して実行しながらスポーツクラブ発足後、初めて町教育委員会、町体育協会及び体育指導員と連携を深めることができた年度となりました。

今まで、町教育委員会、体育協会は、新町スポーツクラブに対して一定の距離を保って活動を静観している状態でしたが、平成14年度のスポーツクラブ活動において中学校部活動のサポートに重点を置いて活動を行い、過去6年間すべての活動を町教育委員会担当者に報告していたことがようやく認められ、地域に認知されてきた実感をもてました。

総合型地域スポーツクラブという組織形態が、まだまだ理解されていない中でゆっくりではありますが着実に浸透してきたと思っています。

〔定期的活動〕

この1年間の定期活動として、中高校生スポーツ部を毎週土曜日の夜、スポーツクラブ直轄で運営し、既存6団体については、それぞれの活動を助け合いながら、子ども達のスポーツ文化活動のチャンスを増やすことを目的に幅広く活動してきました。

ソフトボールスポーツ少年団の子ども達にリズム感を養うプログラムを和太鼓クラブが提供するような活動が可能にもなっています。

SVCスポーツ少年団は、多くの中高校生リーダーを育成しスポーツクラブのスポーツユースボランティアとして活動全般をサポートして、町内の子ども達が所属するすべての団体が参加できる大きなイベントの成功の立て役者になっています。

また、SVCスポーツ少年団は独自でドイツ、ニュルンベルクスポーツクラブと国際交流事業を行っていることで平成15年の夏休みに12日間、高校生4名をドイツ、ニュルンベルク市スポーツクラブに派遣されドイツのスポーツクラブ体験を実施しています。

〔イベント活動〕

アメリカンスクールとスポーツ国際交流

5月5日、横田基地内にあるアメリカンスクールの子ども達(中学生45名)が日本の子ども達とスポーツ交流をしたいというリクエストが群馬県内のスポーツNPOにあり、新町スポーツクラブと連携し新町の子ども達中心にスポーツ交流を実施した。

プログラムは、すべてスポーツユースボランティアの大学生と高校生が企画し指導員等、大人のスタッフがバックアップする方法で200名以上の参加者を楽しく交流させることができ、横田基地から交流に来た、アメリカンスクールの子ども達からの大好評でした。

中高校生スポーツ部地域間スポーツ交流事業

 6月21日・22日に初めて実施したこの事業は、福島県のJヴィレッジというドイツのスポーツクラブと同様の施設で、他の地域の中学生たちと試合形式で交流することを目的に実施した。バレーボールに参加した会員は、他の地域の学校体育館も利用したことで、地域によって学校体育施設の違いに驚き、サッカー部門の会員は、Jリーガーや日本代表選手が利用する施設での練習と試合ができることもあってウキウキしていました。運良く、鹿島アントラーズの合宿と重なり、バレーボールの会員とサッカーの会員がいっしょにサインをいただき、一流選手の練習を目の当たりにできたことで大変良い刺激になりました。サッカーの会員は、双葉町の中学校等2校と対戦することができて大変良い思い出となる交流試合をすることができました。会長も楢葉町スポーツクラブの会長がスポーツクラブの活動状況の説明をしていただけたことで福島県内の浜通り地区のスポーツクラブの現状を知る機会になりました。

 今後も,会員の要望があれば実施したいと思う事業でした。

ナイタースポーツフェスティバル

平成11年以降、久しぶりに実施したイベントでした。新町スポーツクラブについて、地域内の認知度が低いと感じた運営委員たちが育成協議会で提案し9月6日、土曜日の夜に実施した。JR高崎線新町駅にもポスターを貼り、学校や幼稚園にパンフレットを配布して呼びかけた。当日は、天候にも恵まれて300名以上の参加者があった。しかし、実際に、なにも地域の活動に参加していない子ども達の参加率が向上したという実感はありませんでした。今後も、根気よく、こうした事業を毎年定例的に実施することに育成協議会で決定しました。

佐藤直子さんの親子ふれあいテニス教室

9月15日、2回目の教室を開催して低学年の子ども達と大人が楽しくスポーツできる機会として佐藤さんの協力で開催した。参加した人たちは、佐藤さんとの再会を喜んでいる人や初めてトップアスリートと接して喜んでいる人たちで笑顔がいっぱいの会場になりました。当日の運営は、スポーツユースボランティアが主になって活動し、佐藤さんからも大変喜ばれた。参加者118名でした。

体力テスト&クリスマス会

12月21日、町内すべての子どもが所属する団体に声をかけて、スポーツクラブと未加盟団体との交流も目的の一つとして、実施した。今年は、参加希望者が申し込み段階で、230名を超える大盛況で急遽、体力テスト会場を中学校体育館に変更するなど大変でした。また、前日の夜からの雪の影響でグランドが使用できない中、実施したので企画運営を担当したスポーツユースボランティアは、大変な苦労となりました。しかし、参加した人たちからは、楽しいのでこれからも継続してほしいとの要望が相次ぎ、未加盟団体にも次回の事業にも声を掛けやすい環境が生まれました。

スポーツゲームズ in ぐんま

 2月15日、一流コーチを複数招いて実施した事業です。主催は、NPO MIPスポーツプロジェクトで新町スポーツクラブが共催となって、スタッフ、参加者の募集、会場手配を行った。この事業は、totoの補助金対象ではなく MIPの予算で開催しました。この事業の最も大きな成果は、体育指導員と協力して事業が実施できたことと未加盟団体が積極的に協力して来年度にスポーツクラブ加盟に検討してくれたことにあります。また、町教育委員会、新町スポーツクラブの活動内容を評価して、来年度の事業について、より密接に連携をして将来、事業委託の方向性を見いだす検討をすることになった。参加者も町内の人たちだけでなく、県内12市町村から参加者があり「総合型地域スポーツクラブ」についてPRする良い機会となりました。

【新町スポーツクラブのPR

  新町スポーツクラブの特色は、育成協議会にスポーツユースボランティアの代表として20歳のリーダー会長が加わっていることにあります。

これは、ドイツ、ニュルンベルク市スポーツクラブの運営方法を視察し「20歳台の青少年理事」が堂々とクラブ運営委員と議論を交わしている姿を学んだことから新町でも同じような環境になった時に実行したいと思っていたことでした。幸いにして、平成15年度途中から運営委員としてスポーツユースボランティアの20歳になった会長を運営委員に任命して議論の場に加えました。このことが、育成協議会の活性化につながり、ナイタースポーツフェスティバルの復活ということになりました。なぜ、このようにできたかというとスポーツ少年団を核にして設立したスポーツクラブとして、スポーツ少年団の人材育成システムを有効に活用しているからです。 小学生高学年からジュニアリーダースクールに参加してもらい、中学生、高校生時代に国内交流事業の参加やシニアリーダースクールに積極的に参加してもらっています。スポーツ少年団を小学生で卒団しないシステムになっていることで可能になっています。その中で育成した、リーダーを地域のスポーツユースボランティアとして、現在、中学生以上80名が登録して活動しています。今では、新町スポーツクラブの大イベントの企画運営に欠かせない存在で、地域の人たちからも頼られ、信頼されて活動しています。今では、スポーツだけでなく、大学生や高校生が中学生と小学生に勉強も教えています。

 その核になっているSVCスポーツ少年団は、独自で国内交流事業として沖縄県糸満市へ派遣し、国際交流事業としてドイツ、ニュルンベルク市と交換交流を実施してリーダー養成部門で全国的にも先駆的な活動をしています。その活動は、県内各団体からも注目され、群馬県青年会議所の方々が交流にくるようなことができるようになった。このことは、二宮清純氏スポーツコミニュケーションズ(別添掲載記事)にも掲載され、「第二世代を育むクラブ」として紹介された。

もう1つの特徴が、学校との連携の深さです。特に、中学校との連携は、中高校生スポーツ部として部活動の技術的サポートをしていることもあって、クラブ指導員と部活動顧問の先生方との連携が不可欠です。中高校生スポーツ部の活動は、中学校体育館とナイター設備のある校庭を使用しています。ボールについては、体育館内の倉庫とサッカー部部室にあります。クラブのボール等用具は、中学校部活動や体育時間でも使用できるようになっています。

また、活動のために突然も施設使用申し込みについても、部活動の都合がつく限り協力をしてもらいます。平日、授業をしている日に視察が入り、公共施設が使用できない時は、中学校の空き教室を使用させてもらいます。このように、中学校側がスポーツクラブの活動に協力的な第一要因は、スポーツユースボランティアとして活動しているスポーツ少年団リーダーたちが、生徒会活動でも活躍して中学校内でリーダーシップを発揮して学校運営に大きく寄与していることで、校長先生たちから絶大な信頼を得ていることがあります。

小学校においても、校庭の空いている場所にスポーツクラブの倉庫を5棟設置することを認めてくれています。ただし、スポーツクラブで持っていて学校側が持っていない道具については、クラブが学校に貸し出すこともあります。このように、学校とクラブの連携が比較的円滑に進んでいます。新町スポーツクラブは、今の活動はもちろん大切、でも、将来、継続できる土台を作ることに主眼をおいて活動していることと、学校にも認められ、学校とスポーツクラブの円滑な連携に大きく寄与しています。新町スポーツクラブは、町の狭さ、学校との連携の強さ、スポーツ少年団で育成したリーダーの活用、といった3つの特徴を生かしながら今後も活動していきます。

課 題

 課題としては、下記の2点があります。

   専任クラブマネージャーが不在であること。

   クラブハウスがないこと。

専任クラブマネージャーが不在については、会員数が年々増加していることから、会員名簿の管理や会員証の発行にはじまり、経理についても迅速性にかけることで、活動の幅を広げたくても広げられない実情にあります。また、会員サービスとして、さまざまな情報を発信することができないことが、現在、クラブマネージャーとして活動している者として、非常にストレスがたまっています。

クラブハウスについても、毎年、秋から冬にかけての視察ラッシュ時に活動している寒い体育館での対応が多く、大変迷惑をかけている。当然、クラブ員の活動前の準備や会議についても常に町の公共施設を借りながら終了時間を気にしながらの活動になることで、大変不便な状態になっています。

この2点が現在の大きな課題になっています。

【将来展望】

 平成15年度、町体育協会から協力依頼があって実施された「スポーツ医科学講演会」では、実施にあたっての委員会から席を同じにして実施して、当日は、140名の出席者中120名がスポーツクラブ関係者であったこともあって、町教育委員会および体育協会との信頼関係が深くなりました。このことがきっかけになって、2月15日に実施されたスポーツゲームズでは、全面的な協力体制で運営することができました。確かに、こうした動きはスピード感に乏しくゆっくりですが、着実に成果となり、ゆっくりでも確実に地域に認知されています。行政主導ではなく、スポーツ少年団指導者主導で始まったこの活動が時間とともに広がりが出てきています。

 こうした動きの中で、町教育委員会として、来年度以降の事業の協力しながらの実施を検討することになった。この動きは、スポーツクラブのNPO化を町として視野に入れてサポートしてNPO化とともに業務委託に進展させる布石と考えていることからの申し出となった。また、専任クラブマネージャーの配置についても同時に検討する方向で進む見込みとなった。これは、新町のスポーツマスタープランに対して、スポーツクラブとしてアクションプランを作成しました。これは、マスタープランの形骸化を防ぐとともに町民にとって将来にわたって健康で心豊かな町作りの中心に新町スポーツクラブが活動できるように行政が動いていただけるようにクラブとして町教育委員会をサポートしました。

 このように、ゆっくりとしかし着実にスポーツクラブの活動が浸透していることから今後は、スポーツ食わず嫌いの子供や大人にスポーツの楽しさと大切さを伝えるために信頼されて、会員のニーズに合ったプログラミングやスポーツにあまり関心のない人たちがクラブのサポーターになってもらえるような年間事業の展開を進めます。

 このように、近い将来の展望は、専任クラブマネージャーの配置によって広がりがあって信頼されるサービスを安定して提供できる体制を作ってNPO法人化に向けて平成16年度から歩み始めることができそうになりました。

 こうした動きとともに、現在も力を入れている第二世代、第三世代の育成には、今後も力を注いで、将来にわたって活動が継続できる組織つくりを目指します。