About Host family day”     脇 碧惟

(31th, July)

この日はドイツ到着後の翌日ということでまだ緊張気味で、現地の人々とも打ち解けていなかったこともありどうなることかと思っていた。が、そんな不安とは裏腹に、思い切りドイツの生活を朝から夜まで満喫!まずいきなり外のテラスで爽やかにホストファミリーと朝食をとり、ヨーロッパのお嬢様気分を堪能。普段は家の中で食べるらしいが、いつでも好きな時に外で食事できるなんて自分自身の生活ではまず考えられないことだ。ドイツのパンはソーセージやハムをはさんで食べるのに最適で美味しいし、果物もいつも新鮮!ただ、家族の皆も言うように、朝食のスタイルは大体欧米ならどこでもこんな感じでほぼ共通している。むしろ日本の方が食べ物も変わっているし(Teresaは日本に行った時味噌汁に衝撃を受けたらしい)ヘルシーだそうだ。その後Teresaの車で市内を移動し中世のマーケットを見て回り、adidas shopで買い物。Adidas Pumaがドイツで生まれたことを初めて知った。午後はTeresaの友達も一緒に湖へ。ドイツの人々は湖も海感覚でどんどん泳ぐし、そこら中でビーチバレーやるし、日本とは違うと改めて実感。私もI cant swim!!と言いながら皆と湖ではしゃいで楽しんだ。夜は市街地で行われていたEin Festivalに行き、とにかくビールを飲みまくった!街中LIVEで盛り上がり、陽気にダンスをしたり.これがドイツの夜なんだ〜なんて楽しいんだろう!!そう思わずにはいられなかった。ただし飲みすぎてフラフラになり、家へ着くとすぐベッドへ倒れこむ始末に。Host familyのお母さんが「In Germany, always short night!!」と言っていたのが印象的で、深く頷いてしまった。

(th, August)

この日はTeresaいわく“Relax Day”。昼まで眠れたし、楽しみにしていたブンデスリーガをTVで観たりして家族でくつろいだ後、他のメンバーと合流。なぜか昨日からTeresaの弟Maxiも一緒に行動していたので、とりあえずどこに行っても楽しかった!また、日本人とドイツ人が混ざって一緒にビリヤードをしたり、丸くなって会話する時間も十分あったので本当に有意義な日だった。夜DVDを観る時も、吹き替え・字幕を両方英語に設定してもらい、更に場面ごとに説明を加えてくれたりと、私たちに対する心遣いが感じられた。それに感謝すると同時に、自分達が今まで受身ばかりで過ごしていたことに申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。

全体を通しての感想

今回このプログラムに参加し、確実に自分の視野が大きく広がった。またヨーロッパという地域に身を置くことで、同じ白色人種でもアメリカ人とは違う人々の価値観を肌で感じることができた。そしてそれらは間違いなくこれからの人生に多大な影響を与えるだろう。具体的に印象に残ったこと、感じたことを三つほど述べたい。

まず一点目は、コミュニケーションをするにあたって英語とは“道具”であり、必要不可欠な反面それだけでもダメであるということだ。私は大学で国際コミュニケーションについて学んでいるので、このプログラムを自らの語学研修とも兼ねていた。だから毎日が生の英語でどれほど意思疎通ができるかを試す絶好の機会だったのだ。結果、思い上がりかも知れないが、中学時代にアメリカへ行った時よりは確実に語彙も増えていたし、会話のキャッチボールもそれなりに弾ませることができた。ゆっくり話してもらえば大体のことは理解できたし、日常的に必要な会話であればさほど苦しまずに話すこともできた。しかしそれはドイツの人達が、特にHost familyTeresaRike達が丁寧に分かりやすい英語で話してくれたことや、私の英語に対し真剣に最後まで耳を傾けてくれたことがあってこそ成立したのである。また、失敗としてはあまりにも話すことに執着し過ぎてしまったため、逆に沈黙になるとそれ以上コミュニケーションを続けられなくなってしまい、気まずい思いをしたことが何度もあったことが挙げられる。しばらくはそれで少し悩んでしまったが、ある時他の新町のメンバーがドイツの子達とふざけあって楽しそうにしているのを見て、大切なのは言葉だけじゃない、むしろそれ以外のやりとりの方がお互いの感情を通じ合わせやすいのかもしれないと気づいた。そんなこと頭の中では分かっているつもりだったが、私は知り合ったばかりの人と会話なしで絡むことが人一倍苦手なので、それが出来ずにとても悔しかった。この時ほど自分の性格を変えたいと思ったことは無いだろう。英語によるコミュニケーションの前に、人と人との触れ合いにおいて大切なことは何かを改めて考えさせられる体験であった。

二点目は、ドイツという国の風土や人々についての印象である。統一された町並み、石畳を滑る様に走る車、陽気な笑い声、青い空と緑の大地、ビールの匂い、家族の絆・・・。それらは今でも一コマずつ鮮明に思い浮かべることができる。もし私がドイツに住んでいたら、きっと嫌なことがあってもすぐ元気になれるだろう。なぜなら、それを忘れさせてくれるものがここにはたくさんあるからだ。特に身内の中にいると自然と温かい気持ちになれた。もちろん私も、地元で親戚同士集まる時は幸せに思う。しかしまさか他人の、しかも国籍も違う中でこんなに安心するとは思いもしなかった。彼らは例え部外者でも自分達の輪の中に快く受け入れ、しかも前からの友人のように接してくれる。たまたま、本当に仲が良い家族の元にstayできたのかもしれないが、差し引いてもそれがこの国の“文化”なのだろうと強く感じられた。

 最後に、これからの自分に影響を与えたこととそれを今後どう生かせばよいかということについて述べたい。ドイツ滞在中、英語日本語に限らず何を聞かれてもとりあえずわかったと頷き、その場をしのいでいたが、その度に「本当に分からないことははっきり言うように」と諭されてしまった。確かに私には何でも適当に済ませる癖があり、何かに疑問を抱きそれを特別追及することはめったにしない性質なので、はっとした。今までずっと外国に行けばそんな自分が変われるだろうと思い期待していたが、結局どこに行っても自分は自分なのである。本当に自分を変えたい、何かを得たいと思ったらはっきりと自分の意思をもち、伝えることが大切だ。今回、日常とは全く違う環境に身を置くことでそのことがよく分かったし、自分を客観的に見ることができた。その影響で、もっと外国に対する興味が沸いてきたし、将来の方向性もだんだん見え始めた気がする。

 こんなに素晴らしい体験をさせてもらい、ホストファミリーを始めドイツの多くの人々にはとても感謝している。そしてSVC関係者を始め、この事業を築き導いて下さった小出さん、何より快く私の背中を押してくれた両親に心からありがとうと言いたい。今度は私達が、ドイツメンバーを日本に迎え最高のプログラムで温かいもてなしをしたい。そして、いつか絶対またドイツへ行きたい。こう思わせてくれるのは、ドイツが大好きだから。ドイツの人々とまた一緒に時を過ごしたいから。もう一つの故郷、ニュルンベルクといつまでもこの交流が続くように、自分も貢献していきたいと強く思う。