ドイツ派遣レポート☆三

                             脇緋沙恵

Host family day

7/30 朝9時に起床、家族で朝食。初めての家での朝ごはんで、ちょっと緊張した。10時頃街中へ出かける。中世を再現したイベントが催されており、出店が出ていた。まるでディズニーランドに来たような雰囲気だった!その後アディダスショップに向かい、ショッピング。ディスカウントセールをしていて、かなり混んでいた。まるでデパートの初売りみたい。午後はひとまず家に戻り、軽い昼食。学校のことなどが話題にのぼり、会話が弾んで良かった!夕方からお母さん、ルンジャと中央広場に行き、案内してもらう。そこでもイベントをしており、休日だが人で賑わっていた。出店がならび、ストリートコンサートがあちこちで行われていた。あるストリートミュージシャンで、

インディアンの音楽を演奏しているグループがあり、そこが一番人気だった。楽器名は良く分からないが、縦笛のようなものを使っていて、神秘的な曲だった。お母さんが気に入ったらしく、CDを買っていた。ガイドブックにも載っていたけど、ドイツ人は本当にお祭好きなんだと思った。夜9時頃に地下鉄・バスで帰宅。

8/7 朝9時に起床、家族で朝食。ルンジャの弟が帰って来ていたので、食卓に明るさが増した気がして良かった。この日の計画を話し合い、まずIMAXという3Dの映画を観ることに。1200上映の「サファリ」を観に車で出発。3Dなのでメガネを着用。普通の映画館の倍くらいあるスクリーンの大きさに驚いた。その後、日本食を作るために再び家へ。肉じゃがとそうめんを作った。肉じゃがは肉なしで挑戦!日本で練習した甲斐があり、大成功。そうめんがとても好評で、おかわりしてくれたのでうれしかった。特にそうめんのつゆが気に入ったらしく、パンをつゆにつけて食べていたのにはびっくりした(!!)。その後ボートに乗りに湖へ。しかし途中で激しい雨が降り出し、近くのカフェで休憩。コーヒーとアップルパイを注文。アップルパイが、比較的安いのに量が多くて食べきれなかった。このカフェは湖沿いにあるので、晴れていればきれいな景色が見えただろう。結局雨のせいでボートには乗れず、IMAXのもう一本を観に。「EGYPT」というドキュメンリーで、これは3Dではなかったのだが、タマゴ型の変ったスクリーンだった。ピラミッドやミイラの話で、朝のよりも面白かった。帰りは、映画も二本観たし、皆疲れている様子だった。でも家族で行動するのはとても楽しく、名の通り良いホストファミリーデイになった!

感想

 今回はじめてニュルンベルク・新町青少年交流に参加し、とても貴重な体験をすることができた。11日間を振り返ればここには書ききれないほどの思いがあるが、特に印象に残ったことを3つに絞り、感想を述べることにする。

 まず一つ目は、クラシックオープンエアーを鑑賞しに行ったことだ。これはニュルンベルク市の公園で行われる野外コンサートで、私が楽しみにしていたものの一つだ。私のなかの野外コンサートのイメージは、ドーム型の敷地に観客席が用意され、鑑賞するというものだった。しかし実際行って見ると観客席などなく、みんな芝生にシートなどをしき、お弁当をつまみながら寝っころがって聴く、という状況だったのだ。そしてその公園、公園といっても中学校の校庭一つ分くらいある広い敷地には、それを埋め尽くすほどの人々が集まっていた。音楽好きな人はもちろん、一家揃ってちょっと聴きに行こうか、と気軽に行く人々も多いらしい。クラシックを聴くために公園にこんなに沢山の人が集まるのを初めて見て、その規模にとても感動した。日本では土地が狭いのと騒音などの問題で、野外コンサートは滅多に見られない。演奏される曲は、アイーダ、剣の舞、キャンディード序曲、ラデツキーなど様々なジャンルで、誰でも聴いたことのある有名な曲ばかりで楽しめた。何よりも、ねっころがって眼を閉じて、森に囲まれた公園いっぱいに響く音楽を聴く気持ちよさに感動してしまった。音楽の本場ドイツで野外コンサートを体験することができ、嬉しかった。

 二つ目は、要塞に泊まった次の日のマイン川下りだ。木船で川下りということだったので、浮き袋をつけたりするくらい激しいものかと思いきや、いかだにはテーブル・イスが用意されており、分速50m程じゃないかと思うくらいのゆっくりと流れていく川下りであった。最初に座っていたが、飽きたのでいかだから足を出して川の景色を観ていた。途中ケーキなど軽食がでたり、アコーディオンを弾くおじさんが現れるなど、映画に出てきそうな光景もあり、楽しかった。日本にいる時はまず、3時間も川下りするようなこんなゆったりした時間は滅多に味わえない。最初は遅すぎて何もすることも無くイライラしたが、時が経つにつれて‘ゆっくり’な時間に慣れることができた。いつもせかせかしている日本人にとって、このような時間は大切なのではないかと思った。

 最後は、私たちとホストファミリーの方達とのコミュニケーションについて触れたい。私は中三の夏にアメリカでのホームステイの経験があり、それをきっかけに今まで4年間英語力をつけることに力を入れてきた。そしてこのドイツ派遣に、前回以上に会話できるということを確信して臨んだのだ。結果、リスニングに関してはさほど苦労がないことを実感した。しかし、スピーキングを日常生活で駆使することは、思っていた以上に難しかった。何より、自分から「話す」ことがなかなかできないのだ。いつもホストファミリー達からいろいろと話しかけてもらい、それに答えるだけに終わってしまうことが多かった。私がステイさせてもらったルンジャの家のお母さんは、英語の勉強は二年しかしていないにも関わらず、本当によく話しかけてくれた。単語に難はあったにしろ、むしろ使う単語が簡単だったので、ほとんど理解することができた。一方の私は、六年間も英語を勉強してきたのだ。勉強しても、単語を知っていても、結局使わなければ意味がない。伝えたいと思ったことがあったら躊躇せずに言ってみることが、ホームステイするときはもちろん、異文化の人々と交流する上で最も必要であると実感した。

 最初に述べたように、この11日間は毎日が新鮮で、充実していて、感想を書けと言われたらきりがなくなるくらいであった。私たちがこんな貴重な体験ができたのも、私たちを温かく受け入れてくれたホストファミリーのみなさんをはじめ、ニュルンベルク市青少年スポーツ団の方々、それからプログラムで関わった全ての地域の方々、そして資金をだしてくれたSVCスポーツ少年団、両親、英会話や海外旅行についてのアドバイスをして下さった小屋さん、武者さん、指導者として私たちを引率して下さった小出さん、全ての人たちに感謝の言葉を贈りたいと思う。ありがとうございました。これで終わりにせず、再来年の新町での受け入れ事業、そのほかこれからのニュルンベルクと新町の交流が一層深まるよう、様々な面で力になっていきたい。それが私たち参加者の義務であり、感謝を表せるものであると私は考える。